• 実験補助者の仕事内容
  • 気になる待遇は?
  • 職場環境Q&A
  • 主婦が人気の理由
  • 研究者に聞きました!主婦でも大丈夫?

実験補助者の仕事内容~バイオ関連のラボでの例~

以下では、バイオ関連のラボでの一般的なお仕事内容をご紹介しています。実験補助の仕事内容は研究機関(ラボ)によって異なりますが、どんなラボも必ず最初に丁寧に指導がありますので、きっちり基本を押さえれば十分にこなせるはず。「実験補助者育成講座」を修了した方なら、スムーズに業務を覚えていただけるでしょう。

実験器具の洗浄

実験で使ったビーカーやフラスコ、その他ガラス製品やプラスチック器具などを洗浄して乾かすお仕事です。ご家庭で食器を洗うのと同様の手順ではありますが、やはり押さえておかねばならない大きな違いがあります。

簡単な水溶液の作成

いわゆる「バッファー(緩衝液)」と呼ばれるものや、大腸菌などを増やすための「培地」をつくる作業です。粉末の試薬をmg単位で計量したり、水をメスシリンダーで測ったりします。計量の仕方、薬品の溶かし方には決まった方法や、やってはいけないことがいろいろありますが、講座で学んでいただけますので問題はありません。

器具の滅菌・乾燥

バイオ関係では、「ピペットマン」あるいは「マイクロピペッター」という器具をよく使います。これらの先に付けるプラスチックの「チップ」は使い捨て。たとえばこのチップを専用の箱に詰めて、高温高圧で滅菌して乾燥させておくなどの仕事です。

植物の播種・育成

植物を扱うラボでは多い仕事。一粒単位、あるいは袋単位で取り違えなくきちんと植えて、管理します。データを取り損ねてしまったり、植物を枯らしてしまったりはNGですから、「水遣りを忘れない」「異常があればすぐに研究者に知らせる」ことが重要です。

計測作業

たとえば数をカウントする、長さや幅、厚みを測る、(ある現象の起きた)日時を記録するなどいろいろな仕事があります。「有効数字」「測定方法」などを事前にしっかり確認してから作業を行います。

データ入力

計測作業で得たデータを、エクセルなどのソフトに入力していく仕事です。ソフトは使ったことがなくても問題はありませんが、ミスには要注意。「一行ずれた」などは許されません。何重にもチェックして、こまめにデータを保存することが重要です。

PCR反応・電気泳動・無菌操作

少しスキルが高度になりますが、PCR反応と電気泳動、その後の染色・撮影といった作業も実験補助者がよく頼まれる仕事です。また、クリーンベンチ培地に菌を植えるときなどに空気中の雑菌が入るのを防ぎながら行う「無菌操作」という作業もあります。

TOPへ

気になる待遇は?

一般的な時給

800~1,000円程度のラボが多いです。高いスキルを要する場合は、1,200円くらいになることもあります。

有給

就業規則は研究機関ごとに異なりますが、通常、有給休暇はあります。

休みの取りやすさ

子育て中の主婦の方にとって、お子さんの急病や学校行事で休めるかどうかは大きな関心事でしょう。ラボのカラーにもよりますが、柔軟に対応してくれるところが多いようです。

残業・不規則/夜間の勤務

まず、ありません。

年齢制限

特に制限を設けていないラボが多いようです。

TOPへ

職場環境Q&A

トラブルを避けるには?

研究室でのトラブルで一番多いのは人間関係です。まずは既存のラボのメンバーに受け入れられることが重要です。ほかの職場と同様に、先輩に対しては「敬意」と「礼儀」を持って接することを心がけましょう。

有害物質があるのでは?

バイオ系の研究室では、可燃性や毒性のある有機溶媒や、発がん性のある染色剤などを使うことがあります。こういったものを取り扱うときは、白衣はもちろん使い捨て手袋や保護めがねを着用して、「ドラフト」という特殊なチャンバーのなかに手を入れて作業します。危険な物質はどれで、どう対処すれば問題ないのかということをしっかり理解してから作業しましょう。

手順を間違えてしまったら?

手順が違うために間違った結果が出て、それがデータとして採用されてしまうと、あとで取り返しの付かない事態を引き起こすこともあります。実験で間違ってしまった、あるいは間違ったかもしれないということに気づいたら、そのことは絶対に隠してはいけません。研究者がいれば相談します。いない場合には、やり直せるならやり直し、やり直せない場合には、どこをどう間違ったのか、間違った可能性があるのかをノートに記録しておきます。原因が明確ならあとで対処ができるからです。

実験補助者がミスをすることはある程度想定済みなので、とにかく正直に話すことが重要です。対処の仕方は研究員が考えてくれます。

TOPへ

研究者のパートナーとして主婦が人気な4つの理由

研究機関で実験補助者を探している研究者の多くは、「まず女性、できれば主婦。できれば子育て経験者。」とおっしゃいます。

でも、なぜ「主婦」なのでしょうか? 専業主婦、しかも子育て中、そのうえ年齢もそんなに若くない……となると、仕事を探すうえでは普通は不利になるはずです。

研究現場で求められる「主婦力」

主婦のみなさんが、知らず知らずのうちに身に付けているのが「主婦力」です。そして、その「主婦力」が研究の現場では求められているのです。では、「主婦力」とは一体どんな能力なのでしょうか? 主婦のみなさんにはどんな魅力があるのでしょうか?

1.コミュニケーション能力が高い

夫、夫の親、親族、ご近所さん、子ども、子どもの友だちの親、先生などなど。日頃から主婦のみなさんは、自分とかかわる様々な人とうまくやっていくための「コミュニケーション力」が養われています。これは実験の内容や目的、操作手順、報告のタイミングなど、研究者の指示を正確に理解し、スムーズに仕事をするために特に重視される能力です。

2.常識がある

多くの主婦のみなさんは、高等教育を受け、一度は社会人として仕事をした経験をお持ちで、社会常識が身に付いています。これは、休むときのマナーや仕事に対する責任感、言葉遣いなどに顕著に表れます。

3.忍耐力がある

主婦業というのは、細々とした労働の連続で、やってもやっても終わりがない作業ばかり。辛抱強さがないと務まりません。ですから、主婦を経験しているみなさんには、忍耐力が身に付いているのです。研究の仕事も、一見華やかに見えても、実際には地道な作業の積み重ねです。

4.マルチタスクの処理能力がある

家事・育児をこなすなかでマルチタスク能力が磨かれているのが主婦のみなさんの特徴。職業で言えば、「家政婦」「保育士」「コック」「心理学者」「車の運転手」「用務員」など複数のミッションを並行できる能力があるのです。ラボでは、雑多な仕事が次々と発生します。うまく段取りを考え、同時進行して時間内に終了するにはマルチタスクの処理能力が欠かせません。

上記に関連する部分もありますが、主婦は「気配りができる」「明るい人が多い」「責任感がある」「周りとうまくやっていける」「礼儀をわきまえている」「身ぎれいで清潔感がある」「気が利く」などの特徴があります。こういった点を、雇う側の研究者は高く評価しているのです。

TOPへ

研究者に聞きました!主婦でも大丈夫?

子どもが病気のときや学校行事があるときは、都合を聞いてもらえますか?

「主婦のみなさんは、そういうことも含めて、きちんと周りとコミュニケーションを取りながらうまくやってくれる人が多いんです。ラボでも調整しますので心配はありませんよ」

お迎えの時間や夕食の支度などで、残業はちょっと……。

「残業することはほとんどありません。大概のパートさんは、不思議と勤務終了までにちゃんと切りのいいところまで終わらせてるんですよ。複数の仕事を同時進行でこなすことにも慣れていて、段取りがいい人が多いんですよね。ですから、残業は心配しなくても大丈夫です」

男性や学生、独身女性に比べて採用上、不利じゃないの?

「男性や学生、独身女性はすぐにやめてしまうリスクがあるので採用しにくいんです。本人のキャリア的なこともありますし、周りとうまくいかず続かない人も多いんです。その点、主婦の方は周りの人とうまくやってくれるし、長く働いてくれるし。主婦の方を採用するほうがメリットが大きいんですよね」

【被扶養者であることについて】
上記の「主婦力」とは別に、主婦が求められる要因で重要なこと。それが、被扶養者であることです。多くの主婦の方はご主人の被扶養者になっていて、そこから外れることを嫌がります。実はこれ、雇用する側にとっては大きなメリット。なぜなら、人件費が安く済むからです。

ラボで研究活動を担う人材のほとんどは、博士号を持つ期限付研究員(ポスドク)です。十分な研究費があればポスドクを雇用できますが、不況や震災の影響などで研究予算が厳しい昨今では、高い人件費をまかなうことが難しくなりつつあります。こうした事情もあって、「基本的なスキルを持った実験補助者を採用したい」「片腕となってサポートしてほしい」と望む研究者が増えているのです。

TOPへ

実験補助者育成講座のご案内

資料請求からの流れ